口笛を吹いて
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誰ニモ分カラズ
雨にも負けず 風にも負けず 雪にも 夏の暑さにも負けぬ 丈夫な体を得て 欲はなく 何事もゆるし いつもしづかに祈っている 1日2時間 計4回の研究と 霊的食物を食べ 万物の古き時代を過ぎ去るのを待ち望み 滅私奉公し よく聖書を見聞きし 解り そして実践する コンクリートジャングルのマンションの影の 小さなアパートのボロ部屋に住み 東に不知の病の子供あれば 行って「もうすぐ来る楽園に住めば、この子は治る」と親を慰めてやり 西に重荷に疲れた老母あれば 行って「もうすぐ来る楽園に住めば、年は取らなくなり、むしろ若返って20歳くらいになる」と聖書を置いてきて 南に死にそうな人あれば 行って「聖書を勉強すれば、もうすぐ来る楽園で復活する」と聖書を開き 北に喧嘩や訴訟があれば 「聖書は喧嘩を禁じています」と言い 日照りの時は汗を流し伝道し 寒さの時はぶるぶる歩いて伝道し 皆に「兄弟」「姉妹」と呼ばれ 互いに愛し合って苦楽を共にし いずれ楽園での 理想の姿での再会を待ち望む そういう奴らを 軒並みぶっ飛ばしたい 雨にて籠り 風にて籠り 冬でも夏でもエアコンつけっぱなしの 貧弱な体を持ち 徳はなく 決して怒鳴らず いつも心で中指立てている 1日2回と4回 ティータイムと食事をし あらゆることを自分への当てつけのように感情を入れ バズツイートをよく見聞きし分かったつもりになり そしてリツイートし コンクリートジャングルの影の 築数年の家に住み 東に病気の子供あれば 苦しむことがないようにとミサで祈ってすぐ忘れ 西に疲れた老母あれら 力をお授けくださいとミサで祈ってすぐ忘れ 南に死にそうな人あれば 貴方の慈しみになんちゃらかんちゃらとミサで祈ってすぐ忘れ 北に喧嘩や訴訟があれば 彼らの間に平和をお与えくださいとミサで祈ってすぐ忘れ 独りの時は涙を流し サモサパーティの夏は我先にと歩き回り 皆にろくでなしと呼ばれ 褒められたいが 苦にはされたくない 主が愛されたのは、主が友としたのは、 そういう人間だと私は言いたい
誰ニモ分カラズ ポイントセクション
作品データ
Ｐ Ｖ 数 ： 2143.4
お気に入り数： 0
投票数 ： 0
ポイント数 ： 17
作成日時 2020-10-01
コメント日時 2020-11-06
| 項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 5 | 5 |
| エンタメ | 2 | 2 |
| 技巧 | 5 | 5 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 5 | 5 |
| 総合ポイント | 17 | 17 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 2.5 | 2.5 |
| エンタメ | 1 | 1 |
| 技巧 | 2.5 | 2.5 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 2.5 | 2.5 |
| 総合 | 8.5 | 8.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
では返詩を。 何もかもに負ける体と心を持ち 東の地獄に 何もできず 西の惨劇に 行くこともできず 北の飢餓に どうする事もできず 南の惨状に 無力感を味わう 南無阿弥陀仏 この言葉をつぶやく 南無阿弥陀仏 どうすることもできないまま なむあみだぶつ そう意味も分からずとも呟けば 浄土へ行ける事だけを頼りに 根拠もなくそれを信じる事だけを頼りに 南無阿弥陀仏 人間は 時ににそういうものであると 手を合わす 如来は手を合わす
0コメントありがとうございます☆*° これの仏教系バージョンだと、この返詩みたいになるのでしょうかね？ なもあみだーんぶ！ なもあみだーんぶ！
0ぱうら様 拝読させて頂きました。 オマージュってタイトルの時点である程度中身が予想されてしまうので逆に結構難しいと思います。 序盤は例に漏れず内容だと思ってましだが 中盤で正直クスッと笑ってしまいました。 どんでん返しというかなんと言うか 知っている構成だし、二回続けていて、長い部類だと思うのですが 不思議と最後まで苦無く読めました。 面白かったと思います。 ありがとうございました。
0こんにちは！ 本当は中盤で終わってたのですが、2回目が思ったよりすらすら出来てしまったので、のっけちゃいました。 お楽しみいただいて何よりです?
1言うまでもなくあの有名すぎる作品を引っ張ってきているのですが、この手の作品の宿命として、元作品の作風や評価、表現が批評の俎上に上げられてしまうことを思います。 とはいえやはり、誰にでも分かるとはいえ元作品と筆者くらいはどこかに載せるべきとは思います。それが宮沢賢治氏への敬意になりますし、クリエイターとして必須なのではと。 作品のクオリティは結構高いと思います。若干気になったのは、 > 西に疲れた老母あれら あれば、の誤字だと思いますが、かなり勿体ない感じが。 > そういう奴らを >軒並みぶっ飛ばしたい 純粋にここは好みです。予想を裏切ってくる展開に作品への興味が増してくる効果があると思いました。
1おはようございます。 誤字がありましたか、ここって直せないんですよね…。うむむ、長いものしか書けないので、何回見直しても誤字が出てしまうのですねー。本来詩ってもっと短いのかな？ ところで、どこかに引用元を書く欄があったのでしょうか？ 自分は見つけられなかったのですが…。
0これは、宮澤賢治の〔雨ニモマケズ〕のオマージュですね。賢治の場合は、子供の頃に家が浄土真宗で のちに 日蓮宗の信仰を深めたと聞いています。 私は なんとなくなのですが、浄土真宗と日蓮宗って 一神教めいたところがあって、キリスト教に似ているなあと 思ったことがあります。 本作品を読んで、ほんとうに 浄土真宗も日蓮宗も キリスト教と似ているんだなあと感じ入りました。さまざま事柄に対する色々な苦しい気持ちは、誰ニモ分カラズなのかもしれませんが、オマージュすることは 賢治に共感する人々ならば きっと解るだろうと、逆説的に言っておられる気がして、興味深く拝読しました。 心の叫びが はっきりと解る気がしました。(なんとなくです。)
0お返事遅れました！ 浄土真宗さんはカトリックととても仲が良いので、親和性が高いのでしょう。日蓮宗さんは何故か目の敵にされてしまう事が多い気がします。(個人の体験) 雨ニモマケズっていうのは、理想論なのか、それとも修行の目的なのか、考えてみた時に、修行の目的だとしたら、そういう完璧主義な人々に個人的に鬱憤があるので、「ぶん殴りたい」と思いました。 「にじいろ、もぐもぐ」でも言われたのですが、私は心の叫びを詩にした方が良いものが書けるようです(*^^*)
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