物語の伏線や謎は、
回収しきれないぐらいがちょうどいい。
全部回収してしまうと、
その物語のことなどすべて忘れてしまうから。
私たちはいつも、物語の中に生きている。
私たちはいつも、物語に涙し、笑い、生きている。
その物語が面白くなければ書き換えればいい。
その物語に納得がいかないのは、自分の心がまだまだ狭いからだ。
私たちは、他人の物語が幾重にも重なった分厚い本の中を、縦横無尽に生きる。
途中で死んでしまった人のページも、それを記憶する人がいる限りは残り続ける。
残り続けて、その続きのようなものを進む人もいれば、
その過去を掘り返して、また泣き、笑い、先に進む人もいる。
物語の中を生きていることを私は忘れてはいけない。
私はいつだって私の物語の中に生きている。
私はその物語を、終わらせてはいけないと思う。
思う。
手巻きの懐中時計のねじを定期的に回す。
回さないと止まってしまうから。
ズレたまま、ねじを回すと、
当然のことながらその時計はズレたまま回り続ける。
自分がずれていることなんかまったく気にしていないように、
カチカチカチカチと回り続ける。
私は時計の時刻をパソコンの右端に表示された時刻に合わせる。
ふしぎな気持ちになる。
何故私は、回り始めた時計の時刻を、パソコンが正しいと信じて合わせるのだろうか。
何故私は、信じてしまっているのだろうか。
みんながみんな同じ時間を共有していると、何故感じるのだろうか。
独りでいると、そんなことはどうでもよくなってしまう。
時刻など、何の関係もなくなる。
風邪をひいて熱が上がった。
その間こんなことばかり考えていた。
いや、私は風邪なんかひいてなくても、
そんなことばかり考えているような人間だ。
作品データ
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作成日時 2020-02-29
コメント日時 2020-02-29
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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2024/11/23 18時43分18秒現在
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