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影鳴く湖
虚しさの水面らんらんと 鼻のびて耳朶叩きたんたんと 飛沫あがり淡い静寂の 間に間につぐむ鳥のような問い。 ためらいに洗われる岸辺にて 今なら石が囀ずるのもいい 誰も聞かないあかるさに底抜け 靄のなかで揺らめく鼻首の影 らんらんと地響きを立てているから。 濛々とやさしい岩間の時すら ないものはないとカナリアの声 の遺影が黒く横たわってる。
影鳴く湖 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1573.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 3
作成日時 2020-02-14
コメント日時 2020-03-01
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 3 | 3 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 3 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
私は実際に、霊聴力が少しあって、ピアノとか、CDとかがしゃべったりするのを聞いたりするので、比喩ではなく、無機物など存在しないということを感じ取ったのではないかと思いました。 セザンヌは、無機物は存在しない。すべては生きていると、言いました。
0完全に静止をした水面は人工的に作れはしても自然界では極微細であれ、変化があって、それを感得し言葉に換える行為は無常を知り虚しい表現に達する。岸辺とは彼岸とも云え、そこに鳴く、否、鳴かない、鳴かないであろう空虚なカナリアの影が一幅の画のようで、言葉に還る詩は私の目前で静止する。
0コメントのほう、遅れてしまい申し訳ありません。 沙一さんへ ご批評、ありがとうございます。 本作は、別件でスランプに陥り、一時的に何も出てこなくなってしまったときに、その絶語から掬ってきた言葉の群れになります。元々、私は詩作の出発点から「言うべきものが何もないが、何かを言わずにはいられない」のですが、これはまた一段、語ることを無くしたところに潜っていったかたちになりました。虚無を核とする根本的なスタンスには自問自答もありますが。 梅森 海斗さんへ ご批評、ありがとうございます。貴方から好評を頂けるとは意外でした。 みうらさんへ 詩的散文、感謝いたします。私の詩作の根源的な動機は虚無の底に反響する、意味や感情からすら抜け落ちた止まざる声のようなもので、むしろ痛覚に近いと思います。無論、こうしたスタイルじたいに賛否生まれるのも当然のことであり、私自身、そろそろその先を提示する必要に迫られています。良くも悪くも、これが私の自然なのだと感じます。
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