運命の輪を回せ

これは本当にあったネットで知り合ったある人と私の人生を変えるきっかけの話。「運命の輪は自分で回すものだ。人生に文句ばかりの回せない弱い奴は大嫌いだ。」貴方はそう言い残して消えた。残るは静かな空白。毎日部屋に引きこもりネットを眺める毎日。そして私は1人、公園のベンチで似合わない缶コーヒーを啜る。「パパ！」少女が男に飛びつく。手を繋ぐ親子。かつてを思い出す残像。貴方は私にとっての父親で師匠だった。誰もが知ってる編集部で活躍する天才的な強さと閃きを持つ私の「文章の天使」だった。実の父からは殺されかけた私にとっては命を捧げても良い人だった。「僕を父親だと思って良い」そう言われた時の温もりは忘れられず、貴方のようになりたいとずっと願い続けていた。貴方にもう一度逢いたい。私は貴方にもう一度会うために全てを捧げる決意をした。大嫌いな自分を変えるため、運動するように習慣付けて貴方に追いつけるように沢山知識を身につけた。貴方からかつて贈られた文章を理解するために何十回も繰り返し読んだ。自分の実力は自分のせい。中々追いつかない。ただ懸命に自分を変えたい、貴方に逢いたい、お礼だけでも言いたい。毎日泣きながら、笑っていた。もう一度ネットで別人として、貴方に近づき会話をするようになった。知識がついたおかげで漸く貴方の言っていた言葉の意味が理解できるようになった。ある時、勉強会があるので一緒にどうですかと連絡があった。いつも通りの貴方が何事も無かったように優しい目で私を見ていた。貴方は最初から別人ではなく私が近づいていたことを知っていたということに漸く気づいた。「貴方は運命を変えたんだよ。わかる？あの時の君のままなら、会わなかった。でもここまでして近づいてくるんだもん。面白い。会ってみたいと思うじゃない。」そっと貴方の手が私の頭に触れる。この温もりが欲しかった。ずっと。ただ。やっと人前で全てが溢れた。運命の輪は回せる。諦めて仕舞えば全てが終わる。生まれてから嘆き諦め続けた人生。それでも諦めなければ。行動すれば。絶対に変えられる。ただそう信じている。ありがとう。大好きな人。

運命の輪を回せ　ポイントセクション

作品データ

コメント数　： 2
Ｐ　Ｖ　数　： 1370.1
お気に入り数： 0
投票数　　　： 0
ポイント数　： 4

作成日時 2020-01-05
コメント日時 2020-01-10

#テキスト