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徒花
僕は花だ あなたがここに植え付けた あなたは水をやりにきて 少し撫でて帰ってゆく つかの間の楽園 すぐに時間を戻したい あなたが来たばかりの時に 時は戻らない 僕は花だ あなたが少し世話するだけで 喜んでこの実を差し出す花だ 搾取される花だ 空が赤くなり始めたら 僕の心はあなたを探す あなたが来るのはいつも夕方だから 鉢植えの僕を見て 野生の花たちが嗤っている 花たちは白々しくその白い花弁に 空の色を映して僕をからかう 夜にはうすら寒い青 昼には僕を責める白 夕暮れ時は燃え盛る赤 青白赤青 たった一小節の たった4拍のうちに 僕の一日は始まって終わる ここから動くこともできず あなただけを待っている さみしい花だ あなたの指の幻を 葉の上に蘇らせては味わってみてる 心がふやふやだ あなたが少し揺らすだけで 中身が全部出てしまいそう 触れないで 僕は花だ あなたを待って終わる花
徒花 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1537.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 13
作成日時 2019-09-24
コメント日時 2019-09-27
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 7 | 7 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 2 | 2 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 13 | 13 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2.3 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.3 | 0 |
エンタメ | 0.7 | 1 |
技巧 | 0.3 | 0 |
音韻 | 0.7 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 4.3 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ゲーテの詩『すみれ』を思い出しました。ゲーテの詩は、 「人知れぬ恋ののぞみを、ひそやかに抱いて歌う」青年 の心を表現していますが、このなかでも、すみれ=青年 なのですが、詩に登場するのは すみれ だけてす。 この詩では >僕は花だ とか、僕----が多く登場していますが、この僕をなくして、 ゲーテの詩のように花だけにしたほうが、よりおもしろい のではないでしょうか。もちろん僕をなくすと、修正する 部分がでてきますが----。
0コメントありがとうございます! 『すみれ』読んでみますo(^∇^)o 確かに「僕は」をつけると説明的になっちゃいますね。 女々しい詩だから、男なんだよって知らせたかったのですが、ゲーテはすみれしか出てこないのに男性だと分からせるなんて、すごいですね!(っ`・ω・´)っ それに何の花か考えてなかったことに気付きました…!笑 新しい発見と知識を下さって感謝いたします(о´∀`о) 改良してみます!
0「僕」が花になるのおもしろいです。何の種類の花なのか分からないけれど、野生の花たちに笑われているので日常ではあまり見かけないような珍しい花なのかなと思いました。わたしもどこかの「あなた」に水をかけてもらうのを待ちたいです
0コメントありがとうございます! 私の友達が、「別れたいけど、まだ好きなんだよねー」って苦しんでるのを見て、「この子は鉢植えの花みたいに動けないでいるんだなぁ。」と思ったことからこの詩ができました。 この詩に出てくる「あなた」はちゃっかりした狡い人なので、Sunano Radioさんのもとにやって来る「あなた」はそんな人ではないことを祈ります(笑)
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