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さくらばなは火照り わたくしは海へ種蒔き 肘から小指が痺れる ような受粉に恍惚 わたくしは眩い 騒音に怯えています さくらばな散る静電気 心臓ほそく透った 冷えたつもりの指で さわる喉に笑われ
no ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2242.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 80
作成日時 2019-03-30
コメント日時 2019-04-07
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 16 | 16 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 11 | 11 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 14 | 14 |
音韻 | 16 | 16 |
構成 | 23 | 23 |
総合ポイント | 80 | 80 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2.7 | 2.5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1.8 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2.3 | 0.5 |
音韻 | 2.7 | 1 |
構成 | 3.8 | 0 |
総合 | 13.3 | 3.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
風景の中に、人がいるという現実に即した形の詩ですが、春めいてきたこの頃には、なにやら美しいもの、 新しいこと、起こりそうという、心が読めて、全体的に実に好ましい印象を掻き立てられます。 毎年を振り返ると、生きることを考えてみて、少し元気が出ました。
0わたくしは海へ種蒔き、この詩句好きです。 けれども一作品としてはなんか未完であるような感じを受けます。
0完備さんの短詩はいつもとても美しいな、と思います。月並みな表現ですが、何か美しいです。滑らかですらっとした肌触りが蠱惑的ですらあります。なにを表現しているんだろうとか、そういうことは私にとってはどうでも良いような気分にさせられて、その美しさをなんども味わいたいという気持ちになるのですが、かといってそれは「耽美」というのとはまた別の感覚で、どちらかというとアルプの彫刻のような。「間」の美学的な何か。 細かく見てみると、音韻に対する細やかな配慮を感じさせられ、たとえば1連目は末尾をi音揃え、2連目u音揃え、3連目と4連目はあえて揃えずにi音とu音、i音とa音、最後の5連目がe音揃えで、構成としては (i, i) - (u, u) - (i, u) - (i, a) - (e, e) となっており、非常に丁寧な数学的ともいえる設計が伺えるように感じます。すべての連で韻を踏んでしまうとくどくなりますし、かといって出鱈目に崩したらもしかしたら全体の統一感が失われてしまうのかもしれません。 また仮にこの次にo音揃いの連があってそれでしまっていたら、もしかしたら、この作品のような余韻はでないのかもしれません。 つまり 「い、う、(あ)、え」 ときて、読み手に潜在的「あいうえお」の流れを感じさせておきながら、あえて「え」で切ることで流れが宙吊りになってそれが深い余韻として残っているのかもしれないな、、と分析することもできると思いました。 さらに見てみると1連目は >さくらばなは火照り >わたくしは海へ種蒔き 「〜は、〜i音」 でダブルで韻を踏んでおいて 2連目は >肘から小指が痺れる >ような受粉に恍惚 ここでもきちんと 「〜a音、〜u音」 とダブルで韻を踏んでいるのですが、文を途中で改行することによる変則的なリズムで迎えて、全体の音韻を非常に柔らかいものにしているように感じます。 この改行が非常に効果的に感じられるのは、何気ないようでいてしっかりと音韻の設計がなされているからなのかな、と感じました。 などなど細かく見ていくとさらに注目したい点がたくさんあって、しかもこうしたものをセオリーとしてまとめたところで果たして真似して同じような美しさはだせないのではないだろうかと思ったりしますが、ここまですべて私の妄想的分析結果なので、この辺にしておきます。
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