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語り、手
神話を紡ごう 神の、話を 紡ぐため なにをその糸にしようか わたしの、体 わたしの、指 わたしの、声 「声?」 絡まる、声、その、記憶が、立ち、上がる 手を、繋ぐ、その指と、あの指が、絡まって 紡がれる、糸、深夜になると、ほつれて、ま た、ただの、指に、戻って、きて わたしの、からだに、戻って、きた、指 終わりを決めよう いつか来るだろう終わり 約束された終わり その、いつか、を、いつにするのか 「じいちゃんばあちゃんになって、楽器が弾 けなくなるまで、このバンドを続けていき ます、応援よろしくお願いします」 拾われた声と気づかれなかった声 紡がれなかった神話の続きは 砕かれた夢 かけらにして、持ち歩く 「きみ、が、でてきた、 くだかれた、から うそ、じゃない、ほんとさ それを、からすだ、ないていた、あけたく ちが、くだかれた、ゆめ、を、くわえに、 きたんだ ずるい、と、おもうよ、いまさら、なにく わぬ、かおで、はなしかけて、きて (洪水でまちが流される話とか、王子が姫を 救う話とか、語り継がれてきた話がある。 じゃあ、その主人公は誰?わたしは嫌だ。 木の役がいい、神話の責任を負いたくない 神話は主人公を待ち望む物語 「もしもし、わたし、独り身の高齢者、身寄 りがいないの、子も兄弟も、いないの、ね え、どうしたらいいの、わたしが死んだら 手続きは誰がするの」 声が伝える神話 声の音はなくなり 声の形が文字となって 糸になっていく しんわをー (しんわをー つむーぐ、こえが、つらなるー (つらなるー 名もなき少女が、えがいたー (えがいたー あのほうぶつせんは、なんであったかー (あったかー (高架線の列車から見える街並みは見慣れた はずだったが、見覚えのないマンションが 在るのは、久々にこの列車に乗ったからか それとも、前から在ったのに気づけなかっ ただけか 視界の端に、振り、袖 ミ記第ニニ章一五節より 「この姿が見たくて、お金も時間もかけてき た。労力は惜しまなかった。学位記を広げ る両親。よかったね。よかったよ。今日の 夕飯は何にしようか。明日の夕飯も何にし ようか」 声に、神話が、宿る、砕かれた、夢は、ポケ ットにしまえば、いつかは、作り直せる、か わたしの、声、を、手にして
語り、手 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2278.7
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-08-31
コメント日時 2018-09-01
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
私はなかたつさんのように作品にある言葉を丁寧に読み解いてその作品の核心に迫ろうとするようなそのような感想は書きたくてもどうしても書けないのですが、そういう感想を書きたいなと思わされました。詩の言葉ひとつひとつが実体と強さをもって深く心を貫くような感覚にとらわれて何度も何度も読んでしまいます。私はひねくれものですが、この作品の前では自分に対しても作品に対しても、そして作者に対しても心の底から誠実でなければいけない、という気持ちになります(「どうしようもなく、虚無僧になって」も同じような気持ちにさせられますね )。そして、本当に心に深く触れた作品を前にするとやはり言葉を失うのだな、、と改めて感じさせられました。
0survofさん 僕は、ありがちなお涙頂戴ものに弱いです。 かと言って、それを作れる/書ける才能はないので、僕が目/耳にしたもので、大事だと思ったものを書こうとしています。 それは単に僕にとってしか大事なものではないかもしれないですが、それが僕に開かれた以上、他の誰かにも開かれることじゃないかと信じて、誰かも受け取ってくれるのではないかと信じて、敢えて個的なことを書いています。 この作品で言えば、電車の中で学位記を広げた振袖の女性とその両親が電車の席に並んで座って微笑んでいた光景を目にしたことがその1つです。 言葉にできないけれど、言葉にしてみたかったという想いを抱いていただき、この作品に誠実に向き合ってくださったと信じています、ありがとうございます。
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