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生える
シャガの花もそろそろ終わりか。 水嵩の増した川べり。 ドクダミが脈打つ間隙に、こりこりと梅の実が転がり。 踏み慣れた小道もゆるんだ舌となって綻び。 猫の目とくしゃみと。 こうもり傘を閉じたところの、小便のベクトル。 朽ちた町屋に打ち捨てられた表札を、今年も蔦が絞め落とす。 雨とはその、うめき声に近しい。 こいつは百太。 狭い囲いで育った個体なのだと聞いた。 ぐねりぐ、ねりと波打つ脊椎。 泳ぐ様はさながら、作業療法で描いた絵葉書。 尾びれを休ませればコロリと傾き、途端にまっさらな腹を晒す。 淘汰知らずのこいつに只々敬意を表す。 CT。 久しく食べていないイカ飯。 強くなったねと言われて、鈍くなっただけと笑う一日。 ペンを杖とし、疎通を図る近年。 世間に言わせれば無能とされる人間。 それでも俺が生えてくる。 懲りずにきょうも生えてくる。 だったら俺は生えてみる。 なあ、きょうだい。 俺はまだ「兄弟」と呼べるか。
生える ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 945.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-05-12
コメント日時 2018-05-13
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
どことなく侘びしくも、気概のような、覚悟のような重みを覚えました。
0かるべまさひろ様 コメントありがとうございます。 何を書いているのか、ということを書きたかったのです。
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