別枠表示
君が呼吸を喪った、赤い外科室
君が呼吸を喪った 赤い外科室 カーテンが閉ざす世界 いつかの赤い唇 紅いマニキュア くる来るくる繰る、やがて狂う 赤に赫を重ねて何を想う? 僕が虚空で失った 紅い熱病 逢魔が時 擦れ違う葬列 影の群れに君はいない 墜ちる凧 夕暮 茜色の涙 担架が孤独を抱擁する 歩みを進める君 立ち竦む僕 何を間違えた? 何を聞き違えた? 哀しい笑顔 白いシーツ 触れて 揺れて 終わる春 そよ風 都会の喧騒 僕はただ俯くだけ 君の言葉を喪った 赤い病室 濁点 句読点 点け忘れ カルテの末尾は垂れ流し ――もう錆びついたメスが 君と僕とを切り裂いた
君が呼吸を喪った、赤い外科室 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1127.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-03-25
コメント日時 2018-04-21
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
赤い外科室、このインパクトが最後まで続いていく。様々な赤がフィルターのように重なっていく感覚。心の痛みや精神の流す血の生々しさのように思われました。 青や蒼の言葉は出てきませんが、影や夕暮れに青がにじんでいるように感じます。 題名に詩の一行めをそのまま用いていますが、題名から受けるインパクトを、重ねて強調する効果をあげているか、どうか。題名をもう一工夫してみても良いかもしれません。 鮮やかに映像が見えて来るけれども・・・赤一色で埋め尽くされていくような単調さを感じてしまうのも事実です。もう一作の、イメージが乱舞するような激しさを持った作品と比較してしまうので、そう見えるのかもしれないな、と留保をつけつつ。 「僕」が「虚空」で失った「紅い熱病」とは、恋煩いでもあるのでしょうか。そうすると実際に病気や事故、怪我などで「君」を失った、というストーリーとは別に、「君」の心を荒療治して、「僕」との恋を奪っていった何者かの存在を「錆びついたメス」になぞらえる、そんな失恋の激しい痛みを、赤のストーリーの中に見ることが出来るかもしれません。
0そよ風 都会の喧騒 僕はただ俯くだけ 君の言葉を喪った 赤い病室 この二行が印象的です。赤い病室が何を象徴して居るのか、それを考えました。
0まりも様 コメントありがとうございます。 この詩は題名がまず思い付いて気に入ったので、題名ありきの詩というか、その題名に終始引き摺られていってしまった感もあります。 赤を重ねすぎて単調になっているように思うのも、そうした部分があるからかもしれません。 恋煩いというよりは、もっと夢現な情景ですね。(君)も(僕)も誰でもない実体も正体も無い何か。
0沙一様 コメントありがとうございます。 そういえば、この作品はツイキャスで割と頻繁に朗読していましたね。そして聞いて頂けていたのですね。 (もう錆びついたメス)は夢現の赤の幻影が終焉を迎えるというか、それを印象付けるオブジェクトであればと。 涙で錆びてしまったという解釈も、とても興味深いです。
0エイクピア様 コメントありがとうございます。 その二行は私も気に入っていて、一瞬の寂漠感と空虚の後、刹那に赤が被さってくる感じが好きだったりします。 赤い病室はこの作品の根幹というか、ここから様々な夢幻が拡がってゆく起点なような気がします。
0