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遊泳、影
薄月夜、幽寂として闇に固唾を飲む 天井より壁へと物憂く遊泳する朧げな影 時の水路を遡ってみろと無言の問いかけで 追憶の汀へと尾びれが誘う 池の畔の賤が屋では母が あるいは小学校教室の教壇から見下ろす担任が 錦鯉の化身となって昼日中現れる 朱の紅、潤んだ漆黒の瞳が色彩の暗示として 眉間の深い縦皺に忌々しさを湛え 咎めの眼差しは呪詛で矯めようとする軛だ 暮れんと黒い帳が被いはじめる頃には役目を終え 仄暗い池の水底へ戻るのだろう 忍びやかに飛沫も上げずに月影、星影を僅かに揺らめかして 寝室の薄闇の汀に還れば 旧びた想念の波紋は愁眉をひらく 幻影も面影も砕き消し去らめ泡影と化す すでに逃れているのだからもう恐れることはないと 嘯いてみる
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遊泳、影 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 139.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-12-19
コメント日時 2024-12-19
項目 | 全期間(2024/12/22現在) |
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叙情性 | 0 |
前衛性 | 0 |
可読性 | 0 |
エンタメ | 0 |
技巧 | 0 |
音韻 | 0 |
構成 | 0 |
総合ポイント | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文