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刹那
小鳥のさえずりは さえずりであることを忘れ 小鳥から耳を授かり 森のざわめきに恋をする 目も足も羽も嘴も すべてを託され さえずりは小鳥のようになり 魂までも吹き込まれる 消えた小鳥は誰からも忘れられた さえずりからも―― 生まれ変わったさえずりは 木の枝を軽く蹴り 羽をいっぱいに広げ 風を切る 宙返りしながら目を閉じ 空も追いつけない速さで 研ぎ澄まされていき 光よりも速く 一瞬の歌になり時を越えるだろう 木々の記憶を揺さぶり その歌は幹を伝い すべての枝先へ響き渡る 土の中に眠る種を呼び覚まし 芽吹く命が同じ歌を紡ぎ出していく そのように 忘れられない詩を書き残し 忘れられる詩人になりたい
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刹那 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 764.1
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2024-12-13
コメント日時 2024-12-16
項目 | 全期間(2024/12/22現在) |
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叙情性 | 0 |
前衛性 | 0 |
可読性 | 0 |
エンタメ | 0 |
技巧 | 0 |
音韻 | 0 |
構成 | 0 |
総合ポイント | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
これほど美しい詩を味わったことない... 忘れたくない... 類さんの魂の詩を忘れない。
2ツイッター、という言葉と、イメージが重なりました。消えた小鳥たち。
1どーも三明でございます。三つの明るみの三明でございます。「再生」とか「新生」とかへの願望?祈願?なのかなーまだまだ僕は忘れてほしくないなー覚えておいて欲しいなーと思ってしまう俗ですねー
1詠みひと知らずの詩が、いつしか大地に根を張る樹木の養分として取り込まれていくとしたら、詠んだ甲斐もあったことでしょう。そんなことを感じさせる詩でした。
3類さんは大丈夫と思いますが、道徳詩とか宗教詩(人生には意味がある。そして善いおこないをしろ、みたいなやつ...)をやりすぎると、自己撞着のトートロジーに嵌り込んでいく場合もあろうかと思うので、その、十分な「留意」をした上で述べさせてもらいますが、どこか宗教的な香りがする詩だと思いました。 それは科学を超越するようなイメージ、たとえば、 「新生のさえずりは音速を越えて光速になる」...等、こういう科学を逸脱した表現に由来します、が、そうした表現はむしろ詩の魅力の一部として見るべきでしょうが。 「どこか、さびしい」ですよね。 この詩に登場する小鳥、さえずり、木々、空といったモチーフが、ある種の「記号性」を帯びており、その匿名性が全体をモノトーンのような雰囲気にしている。 たとえば、さえずりはどんな調子なのか? 天気は? 鳥の種類は? こうした具体性が与えられないことが、読者の想像を広げる余地を生んでいる一方で、その匿名性が静けさや寂しさを感じさせる。 >忘れられない詩を書き残し >忘れられる詩人になりたい この一節から、詩人としての「匿名」に込められた特別な意味があるようです。作者の意図的か無自覚かはともかく、作品に何を隠しているのかを読み取るヒントになるかもしれないと思いました。
2久しぶり。ありがとう。俺の作品を忘れないでね。
1ツイッターの小鳥ですね。懐かしいです。
1こんばんは。 公開された作品は、それぞれの読み手の中で新たに生まれ変わります。三明十種さんが受け取ったイメージ(ここで言うイメージとは、単なる映像のみに限らず、感覚、記憶、感情、象徴性などが複雑に絡み合ったもの)は既に私のものではありませんので、わかりません。
0こんばんは。『詠みひと知らず』も、タイトル候補の一つとして挙がっておりました。『読人不知』という表記も格好良いと思います。
0こんばんは。ふむ、と考えさせられました。記号性についてのご指摘、興味深いです。その点についても、じっくりとお話ししたいと思いますので、後ほど改めて返信させていただきます。
0最後の二行がキマってますね。
1こんばんは。この二行いいでしょ。人間の矛盾を感じませんか? 矛盾を感じさせる言葉が好きなんですよ。他の連はすべてラスト二行の比喩そのものでしかありません。
0おはようございます。私の表現が記号性を帯びる理由について説明しようと思ったのですが、やはりやめることにしました。おまるたろうさんは、私の表現における記号性の原因をすでに理解されているだろうと感じたからです。もちろん、もし説明を求められれば、お答えいたします。と言っても、実際にはもうコメント欄で答えを出してしまっていますね。 >他の連はすべてラスト二行の比喩そのものでしかありません。 この引用部分だけで、記号性とそれに伴う匿名性が生じる原因についての説明になっているだろうと思います。
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