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洗浄
染みがある それは親子の様に見えた それを洗い流す 子牛が成長し大きくなり 次の段階の牛舎に移動した 牛舎を 洗浄する 下痢気味の便 壁に扉に撒き散らし 汚した跡 それが諸々に見えてくる 染みがある それが親子に見え始めた もう記憶にないだろう 子牛たちの親 それにすり寄るような小さい影 人の姿にも見え始め 脳が勝手に思考を始めていく 高圧洗浄で洗い流す 全力で生きてくれ この牛舎の痕跡は 残っている熱は もう消える 明日 石灰塗布して 明後日 新たな子牛たちが入って来る まだまだ小さい子牛たちが この牛舎で生きていく 何もかも消えた牛舎で お前たちが 悪夢をここで 見ていませんように
洗浄 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 665.0
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-09-10
コメント日時 2023-09-11
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
非常に道徳的倫理観の中で、終わるのかと思いきや最後それは 祈りとして、詩として、一種の個性を与えていますね。 その透めいに澄んだフレーズがクールだとも思えました。
0こんにちは。 なんとなくロールシャッハテストみたいな詩ですね。 最後から2連目が、悲しげな雰囲気機を纏っていて、末尾の 「お前たちが 悪夢をここで 見ていませんように」 という2行を引き立てています。 動物に対して自然に湧き上がる愛情と、人間のために利用される命としての家畜の運命との板挟みにあっている様子が、壁や扉の染みに投映されているかのようです。 どこか人間が背負った原罪をも想わせるような作品ですね。
0この詩を書いている時に少し頭にあったのは某所の畜産センターの牛の扱いが酷いと言うネット記事でして。 話を切り取られている可能性はあるものの、牛の扱いが昭和のままだったのかなと思う話でした。 アニマルライツ(動物の権利)というのが最近欧米から入って来ていて多少なりともそれを考慮しないといけないものの、現実として限度があるよなとも。 本気で意地を張った体重600キロの巨大生物を動かすにはそんな事言ってられない現場がありますし。 大体、「あなたがそんなことされたら我慢できないだろう」と言う人はいるでしょうけど、人間の数倍の骨の強さと痛みの鈍感さと今この時しか生きていない脳を持っているのが牛なのです。 とは言え最大限やったつもりでも、どうだったのか、子牛たちは全力で生きているだけで答えてくれないです。 そういう祈りみたいなのが最後、出て来ました。
1子牛たちは容赦なく壁を汚して去って行きました。 そんな汚れは見ようと思えば色々に見えてきます。この間高圧洗浄で洗い落としていた時に実際、牛の姿に見えたり。 そこから発想が広がってできた作品です。 今目の前にいる牛に、全力で対応するだけではあるのですが。 最後の連は、もう祈りみたいなものです。
0済みません。余計なことかもしれませんが気になったので一言。 「動物の権利」という考え方は、動物は財産とみなされるべきではなく、人間に利用されるべきでもないというもので、それに対して「動物福祉」という考え方は、人間による動物の利用は認めるものの、極力動物の苦しみを取り除く責任がある、というものです。 ですから、産業動物としての家畜の世話に当てはまるのは「動物の権利」ではなく「動物福祉」の考え方です。 これは動物園や水族館、実験動物にも当てはまります。 些末なことをあれこれ書いて済みませんでした。
0わざわざありがとうございます。 動物福祉でしたね。勘違いしていました。
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