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そうかだからたぶんむしろ俺たちが感情のアートってコト‼⁉
友だちからポエミーかつ、シリアスなLINEが来てずっとそのことを考えていた。詩のような文で、かなしみに身を任せるとそれはどんどん大きくなって、なにもかも流していってしまう、ということ。歳を重ねることは、人とのつながりを重ねること、それは自分のなかにアートを作っていくようなことだ、ということ、そしてそうせずにいたからバチが当たったのだ、ということ。とのことだった。なんだか美しいのと、難しいのであんまり簡単には何も言うことができなかった。 もしかなしみが、彼女のいうアートの材料なら、やさしみだってそうなりうるだろうと思う。最近俺はささやかな哲学をもっていて、それは人間はなんにでも上手くなれるということだ。これは姪っ子のソフィーちゃん(3)が教えてくれたことである。最初彼女は座れもしなければ、喋ることもできなかった。手足をぱたぱたしたり、泣いたりすることしかできなかった。しかし徐々に彼女は座り立ち歩き、引き出しを引くようになり、中に入っているペンを取り出し、床に投げ出し、また引き出しをしめるなどをし始めかと思えば、今ではそこらを走り回り、謎に気に入ったところが見つかれば「カメラして」と言って写真を撮ってもらいたがる。写真を見せるとニヤリと片頬をあげて笑う。すごい成長だ。と俺は常々感心している。ソフィーちゃんは会うたびにバージョンアップしているのだ。 ひるがえって我々アダルトはどうだろうか。そこまで顕著ではないにせよまーまー変化していることには違いない。ソフィーちゃんの成長はパターンの形成に他ならないからだ。我々の考えることややることというのはほとんどがパターンである。感情だってそうである。そうしていくうちにパターンに慣れ熟達していく。だからかなしみがその人の文体なら、そのひとはかなしみの達人になっていく。それは何度も練習したシュートがどんどん上手くなっていくのと同じだと思う。それでもパターンは何度も何度も繰り返していくうちに、シームレスに変化していて、あの時から今なんていうものを比べてみれば、もう全く別のパターンになっているものである。 罰が当たったひとの話はけっこう多いけど、その罰が当たったあとにどうなったかという話はあまり聞かないような気がする。それでも苦悩というのは救済の前の段階のことだとも思う。それはひとつのダイナミズムのものである。最近、タバコを辞めたんだけど、死ぬほど辛く、マジでちょっぴり死にたいと思うくらい辛かったが、今はすでに二ヶ月目であり、もうあまりなにも感じない。何が言いたいかというとタバコが吸いたいけど我慢するというその苦痛というか、パターンを変えていくストレスには、けっこう快感が混じっていたりするんだなっていうことに気づいた。つまり自分が死ぬほど求めてるものを敢えて禁じ続けるという徳の力の快楽であり、それは自分の塔をすこしずつ積んでいくことで、つまり俺は救済に向かっているんだ、そんな気持ちになる。なにもかもうまくいかないけど、まあそれだけは、自分を褒めてやってもいいかなって気分になる。なので我慢するということはいいことだ。情欲をコントロールするのは理性で、理性的であるというのは人間であるということだ。パターンを変えるということはいいことだ。全部全部流れて行ってるんだから、その流れに身を任せるということだから。 思えば俺はずっとかなしみの方法にばかり慣れ親しんでいたが、まだ間にあうはずなので、そろそろ喜びややさしみ、感謝や愛、そういうものとインチキなしに向き合い、熟達したいと思う。よろこびの国に移住するのである。ひねくれ組を卒業である。それは今の時代あまり理解の得られない苦難の多い道かもしれない。ただその苦難が辛ければ辛いだけ、救済の光は強いと信じる。ガキだったころの俺にこんな文章書いてるよって言ったらマジかよやべーじゃん愛だってププと笑われると思うんだけど、どうやらマジの大マジにそんなことを考えているのだ。なのでラブを込めてこの文をLINEの返信の代わりにするものである。
そうかだからたぶんむしろ俺たちが感情のアートってコト‼⁉ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 603.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-06-15
コメント日時 2023-06-16
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
こんにちは。 喜びや優しさや、感謝や愛といったものに真摯に向き合うには、他人の痛みを知るために、哀しさを経ることが必要なのかもしれませんね。 だから、「苦悩というのは救済の前の段階のこと」なのでしょう。
1パターン化はされる、されているのでしょう。相当な分量の細分化であって、それはパターン化なのか、それとも、総体としてはヒューマンに帰結する抒情詩なのか。
1本当にそうですね 悲しんだぶんだけやさしくなっていくのが大人ってことですかね
0三浦くん申し訳ないがなにを言ってるかわかんない 笑
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