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俺と終電
終電の田舎の各駅電車で 椅子四席まるまる使って寝ている 体格の良い角刈りのお兄さんがいた ご丁寧に汚いスラックスを椅子の下に揃えて まるで自分の家のように気持ちよく仰向けで イビキをかきながら彼はお眠りになられていた チラチラとサラリーマンや外人やOLさん達は 彼を見るが何も言わずに立っていた やがて角刈りのお兄さんは寝返りをしてから起きあがり 半分出したお尻をかきながら窓を見て 座りながらまたお眠りになられていた 流石にムカついたのか隣に座ったサラリーマンが彼の体を肘で小突いた すると角刈りのお兄さんは一瞬お目覚めになられたが窓を見て ゆっくりと瞼を閉じてお眠りになられていた サラリーマンも諦めて席を立ち 代わりに体臭がスパイシーな外人カップルがそこに座った すると角刈りのお兄さんは一瞬お目覚めになられたが鼻をクンクンして ゆっくりと瞼を閉じてお眠りになられていた 二、三駅過ぎた後 角刈りのお兄さんは起きあがり物凄い勢いで足をかき始めた 彼はお目覚めになられた さっと体を外人カップルに向けて いきなり90年代のJUMP黄金期を語り始めた スパイシー外人カップルは苦笑いをして聞いていたが意外とお喋りが達者だったらしく 5分後にはスパイシー外人カップルはゲラゲラ笑っていた その姿を開くドアのガラス越しに眺めながら 電車から降りた 角刈りのお兄さんは閉まるドアにご注意下さいと同じタイミングでオナラを放屁されてスパイシー外人カップルを爆笑させていた そんな終電だった。
俺と終電 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1799.0
お気に入り数: 0
投票数 : 4
ポイント数 : 20
作成日時 2023-02-20
コメント日時 2023-03-13
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 10 | 10 |
エンタメ | 10 | 10 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 20 | 20 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 10 | 10 |
エンタメ | 10 | 10 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 20 | 20 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
久しぶりに現代詩書いちゃったかな?(そんなん書いたら現代詩評論家に抹殺されちゃうよ!)
0よくわからないのですが、 >お眠りになられていた のタイミングが良くて、そこだけ笑ってしまいました。
0ありがとうございます。 そこのリフレインがキモなんでハマってくれて嬉しかったです。
0面白かったです。ネット詩に一票。
0ありがとうございます。 まぁ、ネットにも色んな人がいますからねー。 ネット詩界隈はこんなんばっかりで面白いですわ!
0手なりで書かれた様な文章だが そこそこ読ませる 裏ドラがっつりのってる感はある CP0
0あざます!
0ヤバイ感が匂う、はじまりの描写からやがて隣のサラリーマンが彼の体を肘で小突き、さらにヤバくなってきて冷や汗タラリとなったあと事なきを得てホッとしたのも束の間、今度はおそらく体臭だけじゃない【spicy=刺激的】な外人さんカップルが現れてさらにヤバくなる‥‥と、思いきや、体格の良い角刈りのお兄さんは「さっと体を外人カップルに向けて/いきなり90年代のJUMP黄金期を語り始め」るという、読者へのみごとな裏切りを果たす。トドメに、オナラをして「スパイシー外人カップルを爆笑させ」るという「spice up」な終わり方。 これを読んで感じたのは、この詩(もしくはこの詩の作者)は「ひと皮剥けているな」ということだ。 詩を書くにあたって、自分の内側からの燻ぶったモヤモヤをある時はたどたどしく、またある時は難解に表現する人が多い中で、この詩に関しては自分の外側をコミカルに描いている。自分の内側からの燻ぶったモヤモヤを表現することはけして間違いではないにしても、自分の外側からの視点を一度失うと果てしなくつづく無限の内宇宙を彷徨い、さらには読者までも道連れにすることになる。たぶん、作者も【詩】という虚無の内宇宙をひたすら彷徨ったのちにふとたどり着いた田舎の終電車だったのかも知れない。 なんて今も【詩】が判らない、ヘタクソ詩人のボクが勝手にそう思いました。
0ポエトリーリーディングで聞いてみたいなあと。 そう思いました。
0読んでいただき感謝です。 そうですね、外の事象を俯瞰する人を描くのが最近の、流行りかもしれませんね。
0ポエトリーリーディングする時はこの作品読もうかな?ありがとうございます。
1やはり眠りではなくてお眠り、目覚めるではなくてお目覚め。終電の各駅電車の中の情景。そして「そんな終電だった」と言う終わり。事実報告の類で終わらず、ポエジーを挿入する行為が有ると思いました。
0感想ありがとうございます。 フィクションの中にポエジーが有るのならノンフィクションの中にもポエジーが有る。その境の無意識の中にもやはりポエジーが有ると思います。
0面白いです。 真面目な詩の朗読会で、この詩を読むと爆ウケすることは間違いないです。 ただ、他の方たちが一生懸命に書いた力作が霞んでしまうので可哀そうではありますね。
0感想ありがとうございます。 決して他の人達の力作を意識して書いてはいないのですが自分自身の詩作も何周もしてるとつい後ろ向きで走ったりしたくなるものです。
0感想ありがとうございます。 決して他の人達の力作を意識して書いてはいないのですが自分自身の詩作も何周もしてるとつい後ろ向きで走ったりしたくなるものです。
0なんだか本当にありそうで面白い詩だと思いました。
0嘘のような本当の話も本当のような嘘の話も読み手次第ですよね。 ネットの話なんて嘘だらけの中に真実があります。
0落語みたいだなと思いました。電車の席で寝ている人は僕も見かけたことがありますが、ものすごい迷惑がられていましたね。僕は死んでるんじゃないかと思いましたが。とても面白く読みました。スラックスのところがいいなあと思いました。
1感想ありがとうございます。 落語家さんみたいに流暢にポエトリー出来ていたら今頃パリで世界大会行っていたかもなぁ。
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