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永遠を1度でも願ったなら箱を作ろう
私は武田地球さんの詩について、ハマるものはとてもハマるが、ハマらないものは全くハマらない。今回の作品は、泣いた。ハマった。「生きるためにパイを焼く」以来だった。だから、推薦文を書くことにした。 私は誰かとの永遠を願うことは多いが、叶うことはほぼない。というか、既にその相手との永遠を願っていないことの方が遥かに多い。そんな私がこの詩に真剣に向き合ってみた。 ライチは空想だから、空想する度に花が咲くのだと思った。吠えないのは、吠えた途端いつか忘れられると思っていたからかもしれない 忘れてしまっていたことが、急に懐かしくなることがある。誰かが描いた絵とあるけど、わたしの記憶だとおもう。 井の頭恩賜公園は四季折々の花が咲き乱れている。ライチはここなら吠えても忘れられないと思って吠えたと思う。でも、犬、とあるからライチじゃないかもしれない。花が咲き乱れているとはどういうことだろう。家でないことはわかる。「わたしたち」じゃなくて「わたし」は永遠を見た。「わたし」の一方的な願いなのか わたしたちの関係の中にライチはいるのだと思った。わたしたちは、時々不安定で、そんなときにライチが必要だったのかもしれない。 でも、家の庭だけで花を咲かせることはとても難しくて、永遠を見る勇気も自信もなかったのかもしれない。 永遠を見るには、ライチと花が必要だった。引き出しの奥の箱にライチの絵、公園の花、わたしたち。 いろんな条件が合わさって、永遠を見る。願うんじゃなくて見る。永遠であることを現実的に確信する。 私は永遠をやはり信じられないが、どんなに永遠を願わなくなっても、捨てずにとっておく箱は必要だと思った。記憶を絵にしてとっておこうと思った。 犬が安心して吠えられるように
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作品データ
P V 数 : 892.5
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投票数 : 0
作成日時 2022-11-23
コメント日時 2022-11-23
武田地球さんの「ライチと花 」を読む良いきっかけになりました。ライチと聞いて茘枝の事を思い浮かべたのですが違って居ました。空想上の犬。ダルメシアンとのかけ合わせ。吠えに永遠を見る感受性などに惹かれました。
1コメントありがとうございます。エイクピアさんが、武田地球さんの「ライチと犬」を読むきっかけになったことが、とても嬉しいです
1間違えました。。「ライチと花」でした。。。推薦させていただいた身でありながら本当に失礼いたしました。
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