ケムリ模様の雨模様
雨ばっか降りやがって
どんどん雨激しくなりやがって
哭く喚く天の声なのかよ
ひゃっひゃっひゃっ
ああキノウの蝶々だなこれ
地に目を遣る
激しい雨に打たれ打ちひしがれて
飛ぶ事諦めさせられ
死んで行った美しい揚羽蝶
その美し過ぎる屍はヌルリ輝く
まるで嬉々として残酷シャワーに晒され
爆音警報鳴り止まぬ中
びしゃびしゃ飛翔しようという
抵抗の姿を見る
それは神々しく狂おしくも無残解体へと変容し
黒いアスファルトに貼り付けられる結局
その燻んだ翅模様、死んだ一昆虫の微々たる光
ぺたりと存在しています、ばらばらばら
ひとごとでも無かろうに、ククク笑いが込み上げる
死への面影だけは身綺麗にしておきたいものだ。
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 1589.2
お気に入り数: 1
投票数 : 12
ポイント数 : 6
作成日時 2022-11-08
コメント日時 2022-12-12
#現代詩
#縦書き
#受賞作
#受賞作
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 3 | 0 |
音韻 | 1 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 6 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 6 | 6 |
閲覧指数:1589.2
2024/11/23 18時47分22秒現在
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とにかくリズムにド嵌まりしました。 「警報、抵抗、変容、結局」などの韻が心地良い間隔で現れること、ドラムブレイクのような体言止めや擬音語・擬態語によるハネがポストパンクやブラックミュージックを想起させ、そこに詩的な語調が違和感無く溶け込んでいる所に痺れます。過去作も一通り拝読しまして、やはり独自のリズムを体得されているように感じ、過去コメントで「舞踏」「江戸アケミ」というワードをお見かけして、素人解釈ですが「和風アフロビート詩」と呼べるスタイルを確立されているのではと思いました。 バンドだったらTシャツが欲しいくらいにファンになりました。 文芸に疎い私が言語表現に欲していた答えの一つを見せて頂いた気がします。ありがとうございました。
1本当にありがとうございます。心震えます。律動で救われたい願望を持ち五十八年、詩人に憧れ其の儘逝きたし。嬉し過ぎて脱糞、あゝ書き始めて良かった、と、強く感じました。
1自負の裏返しの自嘲、若々しい感じがいたしました。私は笑わず蝶が不憫に感じます。弱者が弱者のままで正しいとも思わないので、死を背に命を思い笑うのは切ないですね。
0ご感想ありがとうございます。少しずつ死の事迫り来る恐ろしさ寂しさに、太刀打ちしてみたい、またそして、自分自身を離れてゆく客観に憧れる、二律背反のうたをと思いつつこの様になり。切なく捻くれております。
1やはり、揚羽の屍が道路にへばり付く場面がどう解釈するべきかと思いました。微々たる光の存在が救いになって居る、そんな解釈も可能かと思いました。
0ありがとうございます。よくよく考えてみると、タイトルをレクイエムではなく、ファンファーレにしたという事実も、頂いたご感想と重なるのでしょう。これは、完全なる無意識下の内に取り上げたタイトルですが、気付かさせていただきました。詩というものは、様々な解釈が成り立つ非常に面白いものです。本当にありがとうございました。
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